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27.プラヅノやスッテでイカを釣る


概要

スルメイカ、ヤリイカ、マルイカはこんな魚
メスが大きくオスが小さいスルメイカとヤリイカ。3種とも産卵すると一生を終える1年イカです。マルイカは、ケンサキイカの幼魚の通称名。興奮すると体色を赤くするので、アカイカとも呼ばれています。
ポイントはココ
スルメとマルは底から中層、ヤリが底付近に棲息。3種とも主食は小型魚や甲殻類。スルメの絶好調期は5~9月。ヤリは夏場を除く3シーズン、マルは2~9月。つまりこれらをローテーションで釣れば、イカは一年中楽しめます。
オススメシーズン
一緒に釣れる魚
各イカが交じる 魚ではサバなど
オススメフィールド
底層

使用タックル&仕掛け

ロッドは8:2調子が基本。それぞれに専用ロッドがあるので、それを使うのが無難です。深場を攻めるスルメイカ、ヤリイカはオモリが重く、オモリ負荷100号前後がベスト。マルイカは暑くなるにつれ浅場にやってくるので、オモリが徐々に軽くなり、道糸も細くなります。オモリ負荷は30~50号前後となり、最終的に道糸は1号。幹糸、枝スは2.5~3号です。スルメ、ヤリはプラヅノを使用。マルは浮きスッテを用います。
関連する糸の結び方
幹糸が投入器にしっかり収まらない場合は、投入器を持ち、トンと船底に叩いてツノを落とす。これでスッキリ収まります。
釣り座のセッティング
長い仕掛けをいかにトラブルなく扱えるかがイカ釣りのポイント。そのために欠かせないのが“投入器”となります。ツノ絡みを避け、投入をスムーズにする道具で、これをロッドの脇に置く。船の進行方向の後部側に置くのが基本です。
ツノを入れる順番は、上から順序良く差し込み、最後にオモリを船べりの棚に置くこと。移動中はロッドをホルダーに収め、道糸を張るように引き、幹糸をホルダーの糸止めに止めておきます。投入器は通常、船宿でレンタルできます。

釣り方

素早い仕掛け投入から誘いを入れてタナを発見!!

和製ルアーのプラヅノや浮きスッテ(総称してツノと呼ぶ)を漂わせてイカを魅了。活性の高い群れに当たれば、6~8本あるツノ全部に抱きつかす“鈴なり”が体験できるのがイカ釣りの魅力です。
イカの群れは移動が速い。ゆえに素早い投入が釣果の第一歩。スルメもヤリもマルも底を中心に探りを入れるが、それぞれで誘いが異なるので紹介です。
仕掛けが長く、投入法や回収法も独特。まずはこの仕掛けさばきから覚えて攻略開始です。
仕掛けの投入
投入はオモリを前方に軽く投げるだけです。するとツノがシュッ、シュッと投入器から気持ち良く飛んでいく。これを見るとガゼンやる気が出ます。
投入前に、穂先に道糸が絡まっていないか、リールのクラッチをきちんとオフにしているかを確認して行いましょう。
回収法
これができないと仕掛けが絡んだり、せっかく釣ったイカをテンポ良く取り込めないなど、スムーズさを欠く。始めはゆっくりでもいいので、確実にできるようになりましょう。

①ロッドの長さマイナス1mくらいまで道糸を巻いたら、ロッドホルダーにロッドを納める。ロッドを起こして仕掛けの先端をつかんだら、最初のツノを投入器に入れる。この時、空いている手は幹糸を滑らすように伝ってふたつ目のツノをつかんでおくのがポイントです。

②ふたつ目のツノを持ち替え、空いた手で3つ目のツノを同様につかむ。これを続けます。投入器にしまう手と、ツノをつかむ手にわけ、リズム良く取り込んでいきます。

③最後のツノを投入器に入れたら、オモリを船べりの棚に置いて終了です。

プラヅノでアピール! スルメイカ、ヤリイカの爆釣法
スルメはシャープなシャクリでヤリはソフトなリフト&フォール

スルメとヤリは釣り場や仕掛けに共通点が多い。水深100~200mくらいのポイントをプラスティック製の細長い棒のプラヅノを使って探ります。ただし誘い方が若干、異なるので順序良く説明します。
スルメは底から中層を探る
スルメの誘いは、ロッドをシャープにシャクルのが基本。海面から頭上までのワンストローク中に2~3度止めを入れるように分けてシャクリます。船長からの指示ダナの範囲をギュンギュンギュンとハードに攻めること。
頭上までシャクリ上げたら数秒待って、アタリを聞きます。イカからのシグナルがない場合は、上げた分の道糸を巻きながらロッドを海面に戻し、同様に探り、指示ダナの上限まで行いましょう。
ヤリイカは底付近を探る
ソフトなリフト&フォールで探るのが基本。ベタ底で、仕掛けを上下にゆっくりと誘い上げたり、下げたりしてヤリからのアタリを待ちます。
シグナルがない場合は、1m刻みでタナを上げ、底から10mくらいまで探ってみること。アタリは通常、グッとロッドに重みが乗ってきます、底付近のアタリはフワッと軽いことが多い。このアタリをしっかり取れるかで、釣果が変わるので集中して探りましょう。仕掛けを底に這わせてから聞き上げることも有効なので実践してみましょう。

①仕掛けを落とす時は竿先を海面近くに下げ、道糸の出をサポート。素早く仕掛けが落とします。

②底付近でツノをソフトに揺らしてアタリを待つのがヤリイカです。

③船長からの指示ダナの範囲内をシャクリ上げて探るのがスルメイカです。

④取り込みは、一定の構えとスピードで巻き上げること。ポンピングや巻き込みスピードを変えるとイカがバレます。ツノのカンナ(ハリの部分)にはカエシがありません。不安定な取り込みはバラシの元になるので要注意です。

ブランコ仕掛けと直結仕掛けの2タイプの仕掛けを用意

枝スにツノを結ぶブランコ式と幹糸に直接ツノを結ぶ直結式の2種類がある仕掛け。この使い分けは「どう釣るか」などでも変えるが、一番はツノに良く反応する“サバ”にあります。
一般的な仕掛けはブランコだが、サバの猛攻を受けると台無しになる。サバは2~3個のツノをまとめて飲み込んでしまいます。
その点、直結はツノを飲み込むことができないし、掛かったとしても外れます。サバが登場したら、直結に変えてトライです。イカの乗りには影響ありません。
投入器への入れ方はイラストの通りです。
ちなみに、使用するツノの数は自分で決めて良い。扱いに慣れてない場合は、5~6本から始めて、徐々に数を増やして行きましょう。
ツノのカラーはT.P.O.で変えて挑みます。

マルイカ専用スッテでアピール! マルイカの爆釣法
シェイキングを繰り返し徐々にタナを上げで探る

プラスティックに布を巻いたり、糸を絡めた30~50mmの小型スッテを使ってマルイカを仕留めます。
警戒心が強いが好奇心は旺盛。活性が高ければ、スルメイカのようにドンッと浮きスッテを捕まえるが、通常は触るか触れないかの微妙なタッチ。このアタリを取ることにアングラーはアツくなります。
シグナルをキャッチするには、シェイキングとストップを繰り返すのが二重マル。カワハギの叩き釣りのイメージで探りましょう。
比較的、底付近を回遊するマルイカ。底から徐々にタナを切って、当たりダナを見つけて数を伸ばしましょう!

①ヤリイカにも言えるが、底付近を攻める時は、底から10mくらい上からゆっくり落とし込みましょう。スプールを軽くサミングして、滑らせて行います。

②底付近でシェイキング。スッテをブルブルと揺らし、マルイカにアピール。そして抱きつきたくても抱けないようにします。

③揺れを止め、スッテに抱きつきやすくします。マルイカは、チャンスとばかりに跳びつき、夢中で抱いてきます。

④他のイカ同様、一定のリズムと構えで巻き上げます。
取り込み時にイカと目を合わせると最後。必ずスミを吹き掛けられる。そんな衝撃的なトラブルもイカ釣りの魅力ですが、注意しましょう。

仕掛けを外す時はツノを返すだけ
カンナにはカエシが付いていません。イカを外す時は、スッテをつかみ、逆さに返すだけでストンと落ちます。バケツなどの上で行いましょう。
直ブラ仕掛けも覚えておこう
この仕掛けは微妙なアタリを取るのに最適な仕掛けです。枝スの長さを短くして(2~3cm程度)、ダイレクトにアタリが出るようにします。浮きスッテが幹糸に近ければ近いほどアタリは穂先に伝わる。食い渋り時にも効果があるので試してみましょう。