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色鉛筆での色付け法

自分が描いたお魚イラストに色を加えてデコレーション! これは本当に楽しい作業で、できることなら上手に塗りたい。ここでは、数ある色付け法の中より一番ポピュラーで用意しやすい色鉛筆を使ったペイント法を「真横から見たニジマス」を使って紹介いたします。

アート作品の色付けの大前提は、「そうでなければいけない」というルールがないことですが、キレイに見せるテクニックはあります。その色鉛筆バージョンをお届けしましょう!

必要なもの

  • 資料。見本となる魚が掲載されている図鑑や本。また携帯やパソコンで検索したフリー素材の魚の写真やイラストなど
  • ペイントに使う色鉛筆。基本の12色用でOK

【色鉛筆で上手に色付けするコツ】

  • はじめから強い筆圧で塗ると色が濃くなり最後の調整が効かなくなるので、最初は軽めの筆圧で薄く塗るようにしましょう。
  • どの場所も、はじめは明るめの色を使って、それをベース(地色)にします。色の濃淡は、その後の重ね塗りをして色に深みを出しましょう。
  • 塗りの強弱で陰影やグラデーションをつけて立体感を出すことも大切です。
  • 黒色は作品を重くするので、なるべく使わずに仕上げましょう。
  • 魚の腹部など白い部分を塗る時は、白色を塗るのではなく地色(スケッチブックや紙の色)の白を残しましょう。ハイライト効果があり、丸みも演出できます。

【色付けスタート】

線画にしたイラストはブロック別に塗って行くのが王道です。ちなみに魚のボディカラーは、光の当たり方でいろいろ変わり、人それぞれで捉え方も違います。今回は、八百板先生が捉えているニジマス像を光が右上から差しているイメージで色付けしています。

①背中の色付けから始めます。この部分はニジマスの中で最も濃い深緑色になりますが、最初は明るめの黄緑色を軽く塗って(後に重ね塗りで深みを出します)地色を作っておきます。

②背中との境界線から側線の手前にかけては、本来は緑がかった銀色ですが、ここは青色を薄く塗り、光を反射しているように見せた演出でキャッチにしましょう。側線周りに桃色の帯が入っているのがニジマスの特徴なので、それを再現しましょう。

③魚の体は、側線の中央部にかけて頭側から柔らかに膨らんでいるので、桃色の帯を太めにして立体感を出しましょう。またエラから顔まで伸びている桃色の帯は、あえて余白を残します。こうすることで最終的に際立つようになります。
エラブタの下から胸ビレ、尻ビレへと続く輪郭線沿いには影ができます。そこをはじめは水色で塗っておきましょう。これでベースとなる明るい色が塗り終わりました。

④ここからは重ね塗りなどで、陰影をなどの効果を付けて行きましょう。
まずは背中の輪郭線沿いと緑を重ね塗りして、陰影を付けましょう。
その後、右上から差す光でできる各パーツの影を水色で塗って、ボディ(地色の白)のハイライト効果を強めましょう。

⑤目の瞳周りは本来、薄茶色ですが、意外と黄色で塗っても違和感(むしろカワイイ)がありません。目の縁を緑で塗って浮き上がっているように見せましょう。

⑥背ビレを抜かした各ヒレにベースカラーとなる黄色を薄く塗りますが、先端まで塗らないのがコツです。ヒレの透明感を残しましょう。その後、茶色でヒレの付け根周りと鰭条を塗ります。鰭条は、線を1本ずつなぞる感じで塗って、立体感を出しましょう。

⑦最後に背ビレを塗ります。背ビレは背中の濃い緑色が被ってくるので、緑のグラデーションで(先端部は塗らない)それを演出しましょう。最初にベースとなるブルーを薄く塗り、付け根周辺には黄緑と緑を重ね塗りして上部へ行くほど筆圧を抑えてグラデーションを完成させましょう。
最後に、瞳の右上に白色のハイライトを入れて、生き生きとした表情を作って終了です。

⑧今回は、八百板先生のアイデアで、魚が悠然と泳いでいる雰囲気が出る影を描いて完成としました。影を入れただけで雰囲気が変わりますので、みなさんもアイデアを入れて素敵な作品を描いて下さい!