

絵具でのペイント法
色の掛け合わせを楽しみながら自分が望むカラーを作れ、さらに色の濃淡や陰影調整が楽にできる! 絵具(水彩)を使ったペイントは、光のあたり方でさまざまな色を放つ魚の色付けに持ってこいの方法と言えます。
ここでは、躍動感ある魚のイラスト「反転シーン」を使って絵具でのペイント法を紹介していきます。いくつか技法を手引きしますので、ぜひマスターして使いこなしましょう。
必要なもの
【絵具で上手にペイントするコツ】
【色付けスタート】
予め、部位ごとに使う色を選んで、パレットに色を出しておきましょう。こうすることで色に迷わなくスムースにペイントに入れます。
絵具は、絵を描く紙の質で色の乗り方や色見が変わってきます。実際に絵を描いた紙に塗ろうとしている色を塗って、どんな感じに色が出るかを確認して、作品のペイントに入りましょう。
①このイラストは、陰になる部分の面積が多いので、最初に塗って行きましょう。さっそく「ウエット イン ウエット」の技法を用いて(濡れている状態を利用して、その中に絵具を塗る)、色をぼかしながら塗りましょう。
②濡れている状態の紙の上に、絵具をかるく置く(筆先でチョンと塗る)と、その色はパッと広がります。そして絵具を置いたポイントは色が濃く付き、周辺は色がボケながら広がります。「ウエット イン ウエット」は、濃淡や陰影を付けるのに適した技と覚えましょう。
影を塗る色は、青。影を付けるポイントの上が腹部で白色なので、白に馴染みやすいカラーにしました。
ではイラストのように、光があたりにくい輪郭線の際を濃く。光の影響を受ける場所近くになるにつれて薄く塗って尾ビレまで同様に塗りましょう。
③影の濃淡は、重ね塗りをすることで深みが出て強くなります。色が乾いたら、再度影になる部分を塗って強調させましょう。ちなみに乾かす時間の時短術はドライヤーを使うことです。
④反転している魚の影の部分は腹側の輪郭線周りだけでなく、胸ビレの奥側。反転したことでできる胸ビレの奥にもできます。ここを「ウエット イン ウエット」の重ね塗りで、左の胸ビレの奥が最も濃くなるように塗りましょう。
⑤次に背中の着色に入ります。この部分はニジマスの中で最も濃い深緑色になりますが、最初は緑色と黄緑色を混色させたライトな緑色を軽く塗って(後に緑を重ね塗りして深みを出します)地色を作っておきましょう。
⑥背中との境界線上に水を塗り、背中側から色を伸ばす感じでうっすらと緑色を側線側に伸ばしましょう。こうすることで背中へ行くほど濃くなるグラデーションが完成して、丸み帯びた背中を演出することができます。
⑦背中の境界線から側線の手前にかけては、本来は緑がかった銀色になりますが、ここは水色を薄く塗り、光を反射しているように見せてキャッチにしましょう。ほほとエラに光の反射を大きく入れることで、反転している動きが強調されます。「ウエット イン ウエット」の技法を使い、ほほとエラの上が濃くなるように塗って、強調させましょう。
⑧側線周りに桃色の帯が入っているのがニジマスの特徴なので、それを再現しましょう。あえて光の反射を出した水色と重なるように塗って、絵具(水彩)ならではのナチュラルなグラデーションを見せましょう。
⑨目の瞳周りは本来、薄茶色ですが、黄色で塗っても違和感がなく、むしろカワイくなるので試してください。目の縁を濃い緑で塗って浮き上がらせて存在感を強めましょう。
鼻っ面の上部から尾ヒレの付け根に掛けての輪郭線周りの緑色を重ね塗りで強調させて存在感を強めましょう。
⑩胸ビレと腹ビレにベースカラーとなる黄色を薄く塗りましょう。先端まで塗らないのがコツで、ヒレの透明感を残しましょう。その後、付け根に向かうほど茶系色の重ね塗りをして、色の変化でも動きを演出しましょう。
⑪尾ヒレも背ビレも光がしっかりあたるので、他のヒレより明るく塗りましょう。尾ヒレのベースカラーは黄色ですが、背ビレは背中の色が被るので黄緑色をベースにしましょう。そして両方のヒレに動きを出す演出も行い、躍動感を出しましょう。
⑫イラストを引き締めるためと少々はみ出た色を潰す目的で、ペン先が少し太い耐水性のサインペン(黒)などで輪郭をなぞりましょう。その後、ルアーに色を付ける(重ね塗りや、白を残したハイライトを右上側にいれるなどをしてスプーン状に見せる)などの最終的な微調整をしましょう。
⑬微調整を終えたらペイント終了です!
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