

タイラバヘッドとは?

鉛やタングステンでできたオモリ部分のこと。真っ先にボトムに向かって落ちていくため、ボトムの感触を伝えてくれる役割を果たし、素材・形によってフォール姿勢やスイミング姿勢が変わる。その時々の状況にアジャストさせたヘッドの選択が、好釣果への近道のひとつでもある。

鉛とタングステンの差は「比重の差」

▲左がタングステン150g、右が鉛150g。
同じ重さでもこれだけ体積が異なる
ヘッド部分で現在主流となっている素材はタングステンと鉛の2種類。大きな違いは「比重」で、写真の通り、同じ重さでもタングステンと鉛では大きさが異なる。この比重の差が生み出す恩恵は、巻き抵抗の軽さと落ちる時のスピードだ。高比重のタングステンは、この点で大きなアドバンテージがある。ただし鉛に対し、高価であることが難点。逆に鉛は動きがタングステンより大きく、ヘッドのアピール力といった観点では鉛に軍配が上がる。価格的にもタングステンより安価なので、思い切った攻め方ができるという魅力もある。
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ラウンド型
紅牙 BAYRUBBER FREE TG α HEAD
ウエイトごとに異なる理想のヘッド形状を追求したタングステンヘッドモデル
“軽いものはよりセンシティブに!重いものはより引き抵抗を少なく!”をコンセプトにデザインした高比重タングステンヘッド。高比重素材だから速攻でボトムまで沈降し、小さなヘッドで引き抵抗が鉛に比べ小さいというのは、もはや常識。さらにこのヘッドは、サイズによって理想のヘッドシェイプを追求。軽いサイズのものは潮の変化を読む微妙なアタリを取るためにあえての適度な引き抵抗を生むデザインにしてあり、逆に重くなればなるほど引き抵抗感をなくし、楽にゲームが進められるように計算されたヘッドデザインを採用。パイプの穴もそれに合わせて径を大きくするなどそれぞれのシーンにあわせて細かい設計をしている。
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スリム型
紅牙 BAYRUBBER FREE α HOOK UPPER HEAD
トラブルフリーの掛けタイラバ対応ヘッド
スリムで前後に延ばされたボディシェイプは、引き抵抗を軽減するだけでなくネクタイの絡みも大幅削減。タッチ&ゴーをより確実なものとするためタングステンボトムタッチセンサー搭載。これによりボトムコンタクトをセンシティブに伝えてくれる。
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ラウンド型
紅牙 BAYRUBBER FREE HEAD α
どんな大物でも安心のセラミックパイプ搭載完全遊動タイラバヘッド
完全遊動により、シビアな状況下でもスムーズなフッキング性能を実現。セラミックパイプ採用でリーダーにやさしく、安心して思いっきり大物と戦えるのが魅力。多くのカラーラインナップで様々なシチュエーションで戦える仕様となっている。
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半球型
紅牙 BAYRABER FREEα NAKAI LADYBUG HEAD
中井一誠氏考案のスイミングタイラバヘッド
半球状のヘッドはフォール時にレーンを外さず、細かくフラッシングしながらバーチカルフォールする。このヘッドの基本的な使い方はスピニングタックルを使ってのフルキャスト&フォールメソッド。フラッシングしながらフォールして、リトリーブ時は、ゆらゆらとウォブリングしながらネクタイユニットを揺らしてターゲットを誘う。
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スピンドル型
紅牙 BAYRUBBER FREE TG TIDE BREAKER H
複雑な潮を制する驚異のタングステンヘッド
複雑な流れの中で常に安定した情報をアングラーに伝達することを目的に考案された独創的な形状のヘッド。片面にやや丸みを持たせたことで水中での姿勢が安定し、糸がらみが激減。先端が尖っていることでボトムの感覚が今まで以上に明確に伝わるため、ボトムタッチ&ゴーが非常にやりやすい。さらにリトリーブ時には、明確に潮の変化を伝えてくれるので、レンジを絞った集中的な攻略が可能。
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完全遊動を実現するために、重要なのがヘッドの中通し穴を保護するパイプ。急な魚の突進にもしっかりラインをガードし、確実にハリ掛かりさせるためには、傷がつくようなパイプは絶対にNG。紅牙ベイラバーシリーズは鉛はすべてセラミック素材、タングステンは特殊高強度プラスチック素材を採用。不意の大物でも安心してファイトできる。
紅牙 BAYRUBBER FREE TG α HEAD/紅牙 BAYRUBBER FREE HEAD α
「順付け」「逆付け」の使い分けで全潮速対応型ヘッドを実現
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通常の潮流の場合、この方向での使用が有効。細い方向から潮を受けるため、ヘッドが安定し、フォール時にも回転を抑え、素早く狙ったタナに到達する。リトリーブ時ブレが少ないため、安定したリトリーブでヘッドがほとんど左右に動かない。これにより巻き抵抗が少なくなり、楽なゲーム展開が可能になる。
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潮が緩んだり、2枚潮などで魚の反応が浮き上がっている時に有効。リトリーブ時のレンジを低くキープすることが可能。さらに落下スピードもアップするため、リアクションバイトのレンジ攻略が可能になる。ただし抵抗感は増すので、このような状況に限っての使用がおすすめ。
開発秘話

紅牙
ブランドマネージャー
古谷 英之
(ふるや・ひでゆき)
1994年入社。2012年から紅牙ブランドの立ち上げを担当。紅牙全体の運営を担当しながら、ヘッドの開発などを自ら手掛けている

紅牙 BAYRUBBER FREE α HOOK UPPER
試行錯誤を繰り返し、
ようやく完成した速巻き用ヘッド
元々は段差を付けて(写真①)、ある程度、抵抗感を付けながらも速く引ける「速巻き」用のタイラバとして開発をスタートさせました。トラブルを少なくするために細長くするというアイデアはあったものの、実際にこの形にしてみると、水中で回ってしまったりして、不安定でタイラバヘッドとしては満足できるようなヘッドではありませんでした。そこで今度はヘッドを安定させるためにどうすればよいか、いろいろ考えて試作品を作ってみましたが、どれも形状を変えただけではあまりよい結果が出ませんでした。そこでハッと気が付いたのが「もっと水中での姿勢をよくすればいいのかな」ということです。そこで思いついたのが、リアルスチールという鉄板バイブのヘッドについていたタングステン球。この発想を活かして、最初、細長いヘッドのテール近くにこの球を取り付けた試作品を作ってみました。しかしこのサンプルも思ったほどよくない。それにも増してボトムがラウンド形状のヘッドに比べて分かりにくい。開発は暗礁に乗り上げ、悩みました。なぜダメなのか分らぬまま、テストで使ったこの細長いヘッドをよく観察していたら、ヘッドの中央部分の塗装に微かな傷があることを発見しました。

紅牙
ブランドマネージャー
古谷 英之(ふるや・ひでゆき)
1994年入社。2012年から紅牙ブランドの立ち上げを担当。紅牙全体の運営を担当しながら、ヘッドの開発などを自ら手掛けている

“ボトムに当たってるのはここじゃない。もっと真ん中に近いところだ!”
早速、タングステン球の位置をテールからセンターにしたサンプルを作ってみたところ、姿勢が安定しただけでなく、絡みにくくなり、引き抵抗も小さくなりました。さらにタングステン球は非常に硬いのでボトム感度が劇的に上がり、タッチ&ゴーが非常にやりやすくなりました。様々な試行錯誤を繰り返した結果、ここに「速く巻けて、トラブルレス」というコンセプトの、掛け専用ヘッド「フックアッパー」が誕生しました。
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写真① このわずかな段差がヘッドの回転に繋がった
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右端が最初の試作品。左にいくごとに改良が加えられて、左端が完成形のフックアッパー